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子猫が家にやってきた


つくばへ引っ越しして二日目
自転車でのどかな農道を走りながら
聞きなれない声が聞こえてきました
でも、周りは田んぼだけ
ふと右に目をやれば背の高い草むら
少しキーの高い
誰かを呼ぶような声
5mくらい通りすぎて
でもやっぱり気になって
自転車を止めて鳴き声の方に

雲ひとつない晴天
真昼の13時過ぎ
草むらから現れたのは
手のひらに乗るくらいのちいさなちいさな命でした

明らかにその場にあるはずのない命
絵になる程愛くるしいその存在
でも、あまりに不自然な時と場
頭の中にはたくさんの可能性が廻りました

でも、どう考えてもひとつの答えにしか辿り着けませんでした

これから僕はたくさんの場へ進みます
行けるところへはどこへでも行きたい
会いたい人には自ら会いに行きたい
タイミングなんて待ってられるか
タイミングは自分で作るんだぜ

そんな風に思いながら
つくばの時間じゃない
自分の時間で生きるんだぜ

なんて思いながら

「つよしくん、ひつじ飼って紡ぎからやったらいいよ〜」
なんて声には、生き物はまだ飼えないですよーなんて言ってた自分を思い出しながら

それでも、このタイミングで出会ってしまった事実
こんな絶対はないのではないか
これも何かの巡り合わせではなかろうか

命を預かるということの重さ
暮らしの中に新たな絶対の存在を増やす意味
僕一人だけではない日常で
どんなことが、どんな感情が芽生えるであろうか

でもきっと、そういうことなのだろうな、と思いました

目の前の小さな命の存在に、共に生きるという選択肢以外ありませんでした

これから最低でも10年はお付き合いするんだろうな
母はなんていうかな(猫嫌い)
展示会の時、どうしたらいいかな
出張の時なんてどうしよう
爪たてないでっ
アトリエには入れないようにしないとだよね
etc

いろいろなことを考えながら
Tシャツの裾をぐいっとまくって抱きかかえ
どうにかこうにか連れて帰り
母に事の経緯を説明し
無事、家族として迎え入れる事ができました

そうして僕は、初めての名付け親となりました

まだ、名前を読んでも反応はないのだけれど
それでも、母がその名を呼んでいる事実が
なんともこそばゆく、でも嬉しかったり
いろいろな事が気になってしまったり

とても豊かな感情をもらっています

畑もそう
子猫もそう

命とはなんとも人の心を実らせてくれるものだなあ

こんな実感がありがたい


青い瞳が印象的なこの子のことを「アオ」と呼んでいます

これからどんな事が待っているのか
ワクワクしながら進もうと思います。



子猫が家にやってきた_d0162966_19411729.jpg

by pops-fabric | 2016-05-27 06:57 | 日常のこと