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納品

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 昨日、取引先に納品を済ませてきました。
 ストール17本。
 全てが自分でも納得のいく出来でありました。
 先方も気に入ってくださり、「引き続き宜しくお願いします」と言っていただけました。

 次回コレクションの打ち合わせも順調に進んでおります。
 早めに詰めて形にしていきたいです。
 


 前回のコレクションでは納品する生地の量に上限を設けさせて頂いていました。
 それはなにより、さをり織りの性質による理由からでした。 
 一般の工業製品や作家ものの作品は創り始める前に、到着地点を決めてから制作に入ることがほとんどだと思います。
 「この柄をこの色で端から何cmの何mの場所に入れて・・・」
 こんな風に創る全てを先に決めてからやれば、あとはそれをどれだけ正確に再現するかの作業なので、回数を重ねるごとに精度が上がるでしょうし、制作スピードも上がっていきます。
 しかし、さをり織りはそれをしません。
 今回のストールでの決まりごとは、以下の三点。

 ・素材はウール
 ・経糸は黒
 ・緯糸にはストレッチ糸も使う

 これだけです。
 あとの色合いなどは任せていただいてました。
 既製品である「商品」をつくる立場にあるブランドでは、流通に乗せるためにやはりある程度の制限はでてきます。しかし、たったこれだけの制限にしていただけたのは、さをりにとってとても良かったと思っています。
 もちろん、僕自身の作品であると同時に取引先の「商品」であるという事実は変わらないので、制限内ではあってもそれぞれの印象が変わるようなことはできません。
 でも、これって、織りを重ねていくと同じようにしようと思わなくても自然と同じ自分のテイストになってきてしまうんです。
 だから、ただただ無心に織るだけ。
 変えようという「作為」を持ちこまなければ印象は変わらない。
 あとは、自分の感情と相談して織る。

 そうして織っていくと、どうしても僕の場合時間がかかってしまいます。
 なので上限を設けました。
 
 そのため、話を聞くと取引先の納品先(セレクトショップなど)からの希望受注数に答えられず、納品数を減らしてもらったことも何件かあるそうです。

 そうして色々な話をしたり、自分自身の状況も相まって、思いました。

 求めてくれる人がいるのなら、出来る限りそれに答えよう。
 
 僕に出来ることを出来る限り、しっかりとやる。

 そうゆうことだな、と。


 がんばります。