2010年 11月 13日 ( 1 )


 さをり織りの創始者、城みさをさんは、さをりの森に体験織りに来られた方々が残していった糸巻きボビンを使って織っているそうです。


 ゆっくり、おだやかな手つきでシャトルを飛ばしながら織っている手がふと止まりました。


 視線の先にはボビンがひとつ。


 床にころりと落ちていました。


 みさをさんはぽつりとひとこと。


 「ひとり、、、。。。」





 あぁ


 そうゆうことなんだなぁ




 
 織り手がひたすら好きに織るさをり織り。
 ボビンに巻かれた糸ひとつにも織り手の個性が映しだされる。
 その糸を選んで巻いた「ひと」がいる。
 名前すら分からないけど、確かにそこに感性を持ち、生きた人がいた事実。
 過大解釈かもしれないけれど
 さをりのボビンがあるということは
 誰かの存在が確かにそこにあったという証拠になるんじゃないだろうか。
 糸を巻いたそのボビンひとつひとつが
 その人自身と言えるんじゃないだろうか。

 



 初めて会った僕たちに
 みさをさんは色んな事を話してくれました。
 色んな事を感じさせてくれました。 
 
 97歳のみさをさん。
 ちいさいちいさいおばあちゃん。
  
 話したいことや伝えたい気持ちはたくさんあったはずなのに
 僕は何にも言えなくなってしまいました。
 やっとひとこと
 「ありがとうございました」
 とだけ言えました。

 さをりと出逢って
 僕の人生は大きく変わりました。
 不安を抱えたまま右へ左へとぶつかりながら生きてきた僕に
 「それでもいいからそのまま進みなよ」
 って
 やさしくしっかりと背中を押してくれました。

 この感謝の気持ちは
 みさをさんがしてきたように
 「伝える」
 ことで返していきます。

 頑張ります。  
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by pops-fabric | 2010-11-13 05:16