個展情報ラスト ⑳ 個展を終えて

まずはじめに。

さをり織り 酒寄剛史 第二回個展 「希望」 にお越しいただいたみなさまはじめ、
作品をお買い上げくださったみなさま、都合で来れずとも想いを馳せてくださったみなさま、
お友達などにお知らせしてくださったみなさま、みなみなさま。

本当にありがとうございました。

みなさんのおかげで、無事に終えることが出来ました。
そして、節目の第三回個展への展望も見据えることができるようになりました。

思い起こせば第一回個展の帰り道。
高円寺の路地に入ってふと眼を横にやると、大きな一枚鏡の前に椅子がひとつだけ。
どこぞのセレブが通うプライベートサロンのような空間に心を奪われました。
個人美容室にしては、広すぎると言ってもいいような贅沢な空間。
でっかい鏡。
工業系什器の男くさい雰囲気。
そこに寄り添うはかなげなドライフラワー。




一瞬にして

「次回はここでやりたい」

と想いを固めました。




そうして、お客として何度かサロンに通い、少しずつお話をさせて頂き、
今回の開催となりました。
とはいっても、平日の二日間。
週頭の月曜と火曜。
直感に背中押され、決めたはいいけど作家仲間には
「二日間平日ってよくやるね」
「せめて土日じゃない?」
などと言われ、かなり不安にもなりました。
実際言われてみれば、それもそう。
やりたいだけじゃ、成り立たない。
やっただけじゃ、ただの遊び。
自己満足でしかない。
でも、やると決めたらやらなきゃいかん。
じゃあ、どうやるか。
自問自答を繰り返しながらの日々でした。


そして、追い打ちをかけるようにどんどん減っていく残高。
ほんと、正直な話、結果出せなかったらもう次は無いと考えていました。
そもそも、やりたくても出来ない状況になる。
「お店始める人はこんな気持ちなのかなぁ」
なんて思ったりしてました。
ちゃんと続けて行きたいから、ちゃんと利益も出さなくちゃいけない。
でも、自分の作品にそんな価値があるのか。
答えなんて探したってどこにもない。
世の中の物の値段なんて、その時々で一瞬で変わる。
それなら、ちゃんと自分で胸を張れる値段で出す。
それをちゃんと、伝える、伝わるように出す。
自分の中にある答えを探しながら、どのように提案したらいいかの試行錯誤でした。


そうして出た結果、第三回の個展も開催できる状況となりました。



「希望」と題した今回の個展。
DMに書いた通り、さをり織りと共にある日常に感じた希望をそのまま表現しました。
それと共に、この織りの可能性(=希望)を伝える展示にしたいとも思っていました。

さをり織りの特性上、どうしても大量生産には向きません。
向かないというより、出来ません。
そもそも、人はひとりひとり違うから。
好きな人には目につくけど、知らない人の目には止まらない。
でも、もう少し知られていていい、と想っていました。
知られていていい物であり、考え方だと想っていました。

さをりに批判的な考えを持つ人がいることも知っています。
さをりに限界を感じてほかの織りに向かう人がいることも、知っています。
でも、僕は、こんなにおもしろくて、奥の深いものは無いと想っています。
それはきっと、人間の奥深さなんだと想います。

城みさをさんは、さをり織りの創始者であり、さをりの存在に気付いた人なのではないでしょうか。
人間誰しもが持つ、根源的な輝きに眼を向け、それを「さをり」と呼び、人間自身を愛した人ではないか。

織る時くらい、ほんとに自分の好きなように、やりたいようにやっていいんだよって。
笑ってくれたのではないでしょうか。


ちょいと話がずれましたが、そんなさをりの可能性の提案として、コラボレーションをしました。
自分で織って自分で作って自分で着る、さをり織りですが、制作を人の手にゆだねることで1+1が3にも4にもなるような可能性がきっとあると想いました。
織り地の面白さと既成の仕立てと、相乗効果のある制作が出来たのではないでしょうか。
さをりの世界といわゆる一般的な世界の架け橋になるような、そんな作品になったと想います。


そうして、こんな僕でも、こんなことが出来る。
という「希望」。
なんだか生意気な響きになってしいましたが、ほんとに、僕はただの一般人なんです。
特別アートな家庭に育ったわけでもないし、美大に行ったわけでもない。
なんの経験や知識もない人間でも、想いがあれば出来る。
自分を表現できる。
そんな、僕が感じた「事実」を個展を通して伝えたいと想いました。


何がどれくらいできたか。
それは、僕自身の中にあり、みなさんの中にあると想います。
この個展が成功と言えるような結果を残せたことは、その距離感がそんなに離れてはいないことを現わしてくれています。(と信じています。)
そうして、みなさんと直接お会いして、お話させていただいて、二日間を終えて出た答え。

それは、

人こそが希望なんだな


ってことでした。

そうして、人と人が出逢い、温度を感じ、息づく希望は「未来」へと続いて行きます。
第一回個展「呼吸」、第二回個展「希望」に続く第三回個展「未来」。
また一年後、みなさんとお会いできる日を楽しみにしています。



途中支離滅裂になりましたが、ここまで読んでくださってありがとうございます。
最後に、
今回個展開催にあたって大切な場所の提供をしてくださったCITY LIGHTS 永井さん
いつも無茶なお願いを聞いて、最高の形にしてくれる4614works 白石さん
靴オリジナルオーダーという企画を受け入れ、コート制作という企画を提案、実現までしてくださったSTOF 谷田さん
素晴らしい木彫りのボタンとコメントを寄せてくれたyagate 大住さん
僕の服たちをよりいっそう輝かせるハンガーをリースしてくれたLILY1stVINTAGE 志摩さん
空気感までも伝えるDMをデザインしてくれたOg 小倉さん
こんな僕にさをり織りを伝え、サポートしてくれた手織工房じょうた 城さん
会期中、美味しいお茶を入れてくれ、ステキな笑顔で皆さんを迎えてくれた 田中さん 森本さん
みんながいなければ、今回の個展は成り立ちませんでした。
本当にありがとうございました。


こんな僕ですが、これからも宜しくお願い致します。


酒寄剛史
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by pops-fabric | 2012-12-06 23:33 | 展示会情報