yagate
やがていつかこの身体が無くなったとしても
僕の作ったものはしっかりと形が残り
その物の形すら無くなったとしても
僕という人間が物創りをしていたという事実が残る
僕の祖父は戦後の満州から引き揚げてきた後、ほうきを作っては売り生計を立てていたそうです。
僕はおじいちゃんの創ったほうきを見たことがありません。
もしかしたら幼少期、家で使っていたあのほうきがそうだったのかもしれません。
ただ、「このほうきはおじいちゃんが作ったほうきだ。」と意識して見た事はありません。
今となっては事実は分からないけど、おじいいちゃんは本当に手先が器用で、新聞紙を細く丸めて何百本も紙の棒を作り、それを使って小物入れやごみ箱、色んなものを創っていたことを覚えています。
僕はおじいちゃんのほうきを見たことがない。
だけどおじいちゃんがほうきを創っていたことを知っている。
そして、それがまぎれもない、本当のことだと知っている。
もちろん、僕のおじいちゃんはどこにでもいる普通のおじいちゃん。
だけど、二人としていない、すげーかっこいいおじいちゃん。
尊敬できるおじいちゃん。
毎日相撲を見ながらコップ一杯のお酒をおいしそうに呑んでいたおじいちゃん。
背筋をピンと伸ばし、凛とした表情のおじいちゃん。
僕の物創りがどこへ向かうか今はまだ分かりません。
ただ、おじいちゃんのようになりたいと思う。
さをり織りと共に、当たり前の日々を過ごしていきたいと想う。
東高円寺の「yagate」という木彫りのお店でリングベルトのリングを創っていただきました。
百聞は一見にしかず。
興味の沸いた方は是非、お店に行ってみてください。
真摯な態度で物創りと向き合う素晴らしい人に出逢えます。
yagate
杉並区高円寺南1-30-6 奥田ビル1F
03-3315-7520
http://yagate.org/
by pops-fabric
| 2010-06-16 00:42